
2025年F1シーズンは四分の一を終え、メルセデスが選手権2位につけて予想外の好調を見せている。ジョージ・ラッセルとチーム代表のトト・ヴォルフは、この成績について口を揃えて「想定を超えている」とコメントした。
2022年にテクニカルレギュレーションが変更されて以降、メルセデスはトップ争いから遠ざかっていた。今季も、開幕前はマクラーレンの対抗馬に挙げられることは少なく、チーム内にも強い自信はなかった。しかし、蓋を開けてみれば6戦終了時点でマクラーレンに次ぐコンストラクターズランキング2位に浮上し、レッドブルやフェラーリには明確な差をつけている。
ドライバーズランキングでも、ラッセルは6戦で4度の表彰台を獲得し、トップ4争いに食い込んでいる。ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリも好調なスタートを切り、現在6位につけている。
この展開はチームにとっても大きな驚きだったようだ。ラッセルは次のように語っている。
「正直に言って、プレシーズンの予想よりもいい結果になっていると思う。僕たちが考えていた通り、マクラーレンの一歩後ろという位置にはなっているけど、レッドブルやフェラーリとは接近戦を繰り広げている感じだ。」
「表彰台を獲得できているのはとても良いことだけど、それが僕たちが2番目に速いチームだという意味ではないと思う。平均的に見ると、たぶん3番目に速いチームだと思っている。サウジアラビアではシャルルが素晴らしいレースをしていたし、マックスは常にそこにいる。でも僕たちは、コンスタントにポイントを積み上げているんだ。」
また、メルセデスのマシンは今季、昨年よりもバランスが良くなっており、幅広いコンディションで性能を発揮できるようになっている。特に、気温の低いレースではタイヤのデグラデーション(劣化)が抑えられるため、パフォーマンスが安定している。
チーム代表のトト・ヴォルフも、今季のマシンの進化についてこう語っている。
「とても良くなった。シルバーストンの氷のような寒さでも良かったし、スパでも、ラスベガスでもパフォーマンスは良かった。似たようなパターンが見えてきている。」
「昨年から抱えていたバランスの問題は多くが解決された。フロントもリアも、今ははるかに良い状態になっている。ただし、気温が高いときは、理想的なバランスを保つのが難しくなる。そのときはマクラーレンのほうが優れているんだ。」