F1メキシコGPで、レッドブルの角田裕毅は好ペースを見せながらも、チームの戦略とピット作業の遅れによりポイントを逃した。チーム代表のローラン・メキースも「彼に非はなかった」と認めている。

予選では平均的な結果に終わった角田だったが、決勝ではまたしても抜群のスタートを決め、1周目で10番手まで浮上した。Q3進出こそ逃したものの、週末を通してマックス・フェルスタッペンに迫るペースを維持しており、決勝でもその差は大きく開かなかった。

序盤はメルセデス勢、オスカー・ピアストリ、オリバー・ベアマンらと競り合いながら上位をうかがう展開だったが、タイヤを引っ張った第1スティントが裏目に出て、エステバン・オコンやガブリエル・ボルトレートに追いつかれてしまう。さらにピットストップの遅れが重なり、角田はポイント圏外へと後退。その後、順位を取り戻すことはできなかった。レース後、角田は悔しさを隠さなかった。

「第1スティントは本当に厳しかった。簡単ではなかったし、速さも特別あったわけじゃない。でもスティントをマネジメントすることがチームとしての強みで、それを最大限に活かせたと思う。クルマの挙動がとても難しかったけど、それでも安定して走れたから、自分としてはやれることはやったつもりだ」

「ポイントはメキシコで確実に取れたと思う。たぶん6位か7位あたりだった。僕がコントロールできない部分でポイントを失っただけだ。自分の走り自体は本当に良かったし、失ったのは自分ではどうにもできない部分だから、とても悔しい。特に今日はマックスとの差が小さくて、ほとんど同じペースで走れていたんだ」

「彼は最終的に3位だったけど、第1スティントでは僕もそこまで離されていなかった。ピットストップのタイミングと作業がすべてを左右した。今日の僕の走りはとても良くて、レッドブルでのロングランでは最高のペースを見せられたと思う。でも結果に反映されなかったのは本当に残念だ」

一方、チーム代表のローラン・メキースも角田の言葉に同調した。

「同感だ。ユウキは本当に長い間で一番いい週末を過ごしたと思う。こういう話は何度かしてきたけれど、今回は事実としてそうなんだ。予選でもマックスにわずか2テンポ(約0.2秒)差だったし、決勝の第1スティントも非常に強力だった。同じくミディアムで長いスティントを走りながら、マックスから2〜3テンポ差の範囲でついていた」

「その後、我々の判断で少し長めに走らせた。戦略的にメリットがあると考えたからだ。だが、そこでピットストップに少し問題が起きた。結果的に、ユウキが本来取れたはずのポイントを自ら失う形になってしまった。完全に我々の責任だ」

角田にとっては、レッドブル昇格後もっとも力強い走りを見せた週末だったが、結果が伴わなかったのは無念だ。メキースが語る通り、チームの判断とピット作業が悔やまれるレースとなった。