F1ラスベガスGPで、マクラーレンはメルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルのマックス・フェルスタッペンに全く歯が立たない状況に陥った。同チームは、修正を余儀なくされた「違法」リヤウイングが大きな影響を与えないと主張しているが、ライバルたちはその見解に異議を唱えている。
「ミニDRS」疑惑とFIAの介入
この問題の発端は、アゼルバイジャンGPでピアストリが勝利した際に撮影された映像である。この映像により、マクラーレンのリヤウイングが「ミニDRS」と呼ばれる仕組みを備えていることが明らかになった。具体的には、リヤウイングのフラップの端が高速走行時に開くことで、直線スピードが増加する仕組みが確認されたのだ。
FIAはこの事態に対処し、アゼルバイジャンGP以降コンストラクターズ選手権をリードしていたマクラーレンにリヤウイングの是正を指示。これに対し、マクラーレンCEOのザック・ブラウンは次のようにコメントした。
「小さな修正を提案した。我々はこの仕組みが大きな違いをもたらさないと考えているが、この件をめぐって騒ぎが広がっていることも事実だ。秘密のレシピなどないことを示すために『じゃあ、少し修正してみようか』と考えた。」
ラスベガスでの苦戦
ラスベガスのストリップ・サーキットは、アゼルバイジャンのように長いストレートを持つ市街地コースである。このため、マクラーレンは修正された同仕様のリヤウイングを持ち込んだが、結果は期待を大きく裏切るものとなった。ノリスとピアストリは難しい週末を過ごし、マクラーレンMCL38はグリッドで4番目に速いマシンにとどまった。
ライバルたちの指摘「リヤウィング是正が原因」
AutoRacer.itは、ライバルチームがマクラーレンのペースダウンの原因を是正されたリヤウイングにあると考えていると伝えている。これにより、マクラーレンは優位性を大きく失い、現在フェラーリとの差はわずか24ポイントに縮まった。残り2戦で、タイトル争いの行方はさらに混沌としている。
今後の焦点
シーズン終盤戦、マクラーレンはコンストラクターズ選手権を守り抜くことができるのか。それとも、修正されたリヤウイングがさらなる苦境を招くのか。次戦カタールGPに向け、注目が集まる。