
マクラーレンはイタリアGPで、オスカー・ピアストリに2位を譲るよう命じ、チームメイトのランド・ノリスを前に出したことで多くの批判を浴びている。ピット作業の遅れを帳消しにするために順位を入れ替える判断。これがもしチャンピオン決定戦だったとしても、マクラーレンは同じ判断をするのだろうか?
この判断により、ノリスのチャンピオンシップでのポイント差は34から31に縮まった。チーム代表アンドレア・ステラは「哲学に基づく決定」と説明した。ピアストリは、ノリスがピットストップで遅れたことで2位を得ていたが、チームラジオでは彼の迷いが明らかになっていた。
ピアストリはレース後にこう語った。
「ラジオで言うべきことは言ったよ。でも2度目に指示が来たとき、チームに逆らうつもりはなかった。」
この決定にはモンツァの観客からブーイングが起こり、パドック内外から非難の声が相次いだ。元F1最高責任者のバーニー・エクレストンはBlick紙に対し、こう語った。
「彼らは公平さを語っている。でもピアストリが、自身のドライブとは無関係のピット作業のミスで罰を受けるのは公平なのか?答えはノーだ。マクラーレンは“ランド・ノリスという名のワールドチャンピオン”を望んでいるように見える。」
元ハース代表のギュンター・シュタイナーも、このスイッチは不要だったと批判した。
「オスカーはランドの遅いピットストップに責任はない。僕ならあんなやり方はしなかった。」
メルセデスのトト・ウォルフは、マクラーレンのザク・ブラウンと友好関係にあるが、危険な前例になると警告した。
「一度作った前例は覆すのが難しい。もしまたチームがミスをしたら?再び順位を入れ替えるのか?答えはシーズン後半、事態が熱を帯びた時に出るだろう。」
Blick紙のロジャー・ブノワは、ピアストリのマネージャーであるマーク・ウェバーが裏ではもっと厳しい言葉を放ったと指摘。Viaplayの解説者ギード・ヴァン・デル・ガルデはさらに直截的だった。
「僕がオスカーならこう言っただろう。“クソくらえ、絶対に前は譲らない”とね。」
1996年の世界王者デイモン・ヒルも加わり、皮肉を込めてこう語った。
「1993年、僕はアイルトン・プロストのルノーエンジンが壊れたからイタリアGPで勝ったんだ。今になってルノーが僕に結果を返せと言ってきたらどうしようかと心配になるよ。」
ヒルがSNSで実施したオンライン投票では、62%がマクラーレンの判断に不満と回答した。
この騒動はNBAにも飛び火し、フィラデルフィア・76ersのスター、ジョエル・エンビードがXに投稿した。
「このパパイヤ・ルールってマジで意味不明だな。(指示に従った)オスカーは僕よりずっと立派な人間だね」
These papaya rules are something else lmao….. Oscar is a better man than me
— Joel Embiid (@JoelEmbiid) September 7, 2025