マクラーレンは、ブラジルGP決勝前にレッドブルがマックス・フェルスタッペンのパワーユニット(PU)を交換し、ピットレーンスタートを選択した件について、その費用がF1のコストキャップにどのように算入されるのか、FIAに照会した。

レッドブルは予選Q1敗退という不振を受け、車両セットアップ変更とともに新しいホンダPUの投入を決断。これによりパルクフェルメ規定に抵触しグリッドを放棄する代わりに、新品PUの性能と信頼性を決勝で最大限引き出す戦略を選んだ。マクラーレン側は、この交換が「性能目的」か「信頼性目的」かで費用計上の扱いが変わり得る点に着目しており、透明性の確保を求めている。

アンドレア・ステラ代表は、性能向上を狙ったPU交換であればキャップ対象になるべきだとの見解を示し、同様の判断を自陣で安易に採らない理由としてコストキャップ圧迫を挙げた。FIAはこれまでも意図や根拠資料に基づき、コスト上の扱いを個別に精査してきた経緯があり、今回もレッドブルの提出書類を踏まえて判断するとみられる。いずれにせよ、タイトル争いの渦中で行われた大胆な仕様変更は、短期的な競争力と長期的な財務規律の境界線を改めて浮き彫りにした格好だ。シーズン終盤の均衡を左右しかねない案件として、パドックの注視が続く。