7月9日水曜の早朝、レッドブルF1の本拠地であるミルトン・キーンズの関係者に対し、クリスチャン・ホーナーがチームを離れるというニュースが伝えられた。この報道から1時間以内に、チームはホーナーの即時退任を正式に発表した。

後任には、現在VisaキャッシュアプリRBのチーム代表、ローラン・メキースが就任する。メキースは次戦ベルギーGPから公の場に姿を現す予定だ。この人事は、レッドブルが成績面で苦戦する中での動きとなった。

2023年に圧倒的な強さを見せたレッドブルだが、今季はアストンマーティンへのエイドリアン・ニューウェイ流出もあり、チームの勢いに陰りが見え始めている。

ホーナーは2005年にF1チームとしてのレッドブルが始動した当初からその指揮を執っており、ちょうど20年の節目を迎えての退任となった。メキースへの交代に伴い、彼の後任としてVisaキャッシュアプリRBのレーシングディレクター、アラン・パーマンがチーム代表に就任する。

ホーナー本人からの声明は発表されていないが、レッドブル社CEOのオリバー・ミンツラフは次のように述べている。

「クリスチャン・ホーナーがこの20年間にわたって成し遂げてきた素晴らしい仕事に、心から感謝したい。彼の尽きることのない献身、経験、専門性、そして革新的な思考は、レッドブル・レーシングをF1で最も成功し、魅力的なチームのひとつに押し上げる原動力となった。すべてに感謝している。ありがとうクリスチャン。君はこれからもチームの歴史の重要な一部であり続ける」

後任のメキースは以下のように語った。

「この1年半、ピーターとともにチームを率いることができて本当に光栄だった。レーシング・ブルズというチームの誕生に関われたことは、素晴らしい冒険だったし、才能あふれる仲間たちとともにその歩みを進められたことを誇りに思っている。チーム全体のスピリットは本当に素晴らしいし、これはまだ始まりにすぎないと強く信じている。今こそアランがチームを引き継ぐ絶好のタイミングだ。彼はチームのすべてを知り尽くしており、これまでの成功の重要な柱でもあった」

新たにチーム代表に就任するアラン・パーマンも意気込みを語った。

「チーム代表という役割を任されることを非常に光栄に思っている。そして、オリバーとヘルムートが僕に寄せてくれた信頼に感謝したい。ローランとピーターがこれまで築いてきた取り組みを、ピーターと共に引き継いで前進していくことを楽しみにしている。これは僕にとって新しい挑戦になるが、チームのみんなが力を貸してくれると確信している」