カナダGPでのマックス・フェルスタッペンは、ジョージ・ラッセルとメルセデスの速さを前に、2位が精一杯だったと認めた。

「簡単なレースではなかったけど、チームとしてはうまくやり切ったと思う。できる限りの最適化はすべてした。正直、レース中ずっと2位をキープできる感覚がなかったけど、それでもよくやったよ。週末を通してマシンはまずまずだったし、戦略もベストを尽くしたと思う」

とフェルスタッペンはコメントしている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーもフェルスタッペンの見解に同調し、レース全体を評価した。

「でもラストスティントは非常に強かったし、キミよりも明らかに良かった。ジョージとも互角だったし、彼より5~6周古いタイヤでそれをやれたのは良かった。そういう意味で、とてもよくまとめたレースだったと思う。良いポイントも取れたし、全体的にうまく仕上がったよ」

後半に出たセーフティカーでは、ラッセルが前方の距離を取るためにブレーキをかけたことで、フェルスタッペンが危うく追突しかける場面が発生した。フェルスタッペンは思わず強くブレーキを踏み、ラッセルを一瞬抜きそうになった。

この一件に対し、両者はすぐに無線で抗議したが、レーススチュワードは反応しなかった。レッドブルは最終的に、ラッセルの無線とその不規則な運転について正式に抗議を提出した。だがスチュワードはこれを却下し、ラッセルの優勝は確定した。

「詳細は後ほど文書で明らかになると思うけど、2つの抗議を出した。ひとつは、セーフティカー中の不規則な運転。ジョージがかなり強くブレーキをかけていて、ミラー越しにマックスを見ていたんだと思う。もうひとつは、セーフティカーとの距離が明らかにルールを超えていたこと。たぶん許容距離の3倍はあったと思う」

とホーナーは語った。

「抗議する権利はチームにあるから、それを行使した。あとはスチュワードの判断に委ねる」

「これはジョージ個人に対するものではない。規則は明確だし、2022年のシンガポールでチェコ(ペレス)が同様の行為で2度のペナルティを受けた前例もある。今回はマックスの要請じゃない。マックスはメディアと話していたし、僕たちが独自に判断して抗議を提出した。抗議1件につき2000ユーロかかるけど、それでもやるべきと判断した」

さらに、メルセデスとラッセルが11ポイントのペナルティを抱えるフェルスタッペンにプレッシャーを与えようとしていた可能性について問われると、ホーナーは警戒心をあらわにした。

「ジョージの記者会見のコメントを聞けば、彼の意図は明白だったと思うよ。ああいった駆け引きがあるのは避けられない。だからこそ、ドライバーズブリーフィングの後にFIAレースディレクターに伝えておいた。“こういうことが起きるかもしれないから、しっかり見ておいてほしい”とね。メディアでいろんな発言が出ていたから、注意喚起しておいた」