セバスチャン・ベッテルがF1復帰を熱望していることが明らかになった。しかし、その道は険しく、レッドブル、アウディ、アストンマーティンのいずれからも拒否されたという。

2022年のアブダビGPを最後にF1を去ったベッテルは、ここ最近も「引退生活に満足している」と語っていた。しかし、ドイツのメディア『Auto Bild』によると、彼は密かにF1復帰を模索していたという。特に、レッドブルのシートを狙っていたようだ。2023年シーズン中にセルジオ・ペレスの将来が不透明になった際、ベッテルはレッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコに直接連絡を取った。マルコはこれを認めた上で、拒否した理由を明かしている。

「セバスチャンはマックスのチームメイトとして走りたかったのだ。しかし、それは意味がなかった。彼を守るためでもある。マックスに明確に打ち負かされ、セバスチャンの評価を傷つけることになる。それは避けたかったし、許すつもりもなかった。」

レッドブルだけではない。『Auto Bild』のジャーナリスト、ラルフ・バッハによると、ベッテルはアウディのF1プロジェクトにも接触していたが、ザウバーとアウディの両方から断られたという。実際のところ、彼のF1キャリアの終焉は自らの決断ではなく、アストンマーティン側が契約延長を望まなかった結果だったとされる。

こうした状況について、元F1ドライバーのデビッド・クルサードもコメントを残している。

「彼は諦めて夢を見るのをやめるべきだ。数年のブランクを経て速くなれるなどと思わないことだ。
アストンマーティンでの最後のシーズンも、全盛期の彼ではなかった。ストップウォッチは嘘をつかない。」

現時点ではF1復帰の道が閉ざされているベッテルだが、『Auto Bild』は彼が完全に諦めたわけではないと報じている。彼のコンディションは良好であり、「まだ戦える」と周囲に語っているという。