レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、母国とも言えるレッドブル・リンクでのオーストリアGP決勝の第1周でリタイアを喫した。接触の相手はルーキーのキミ・アントネッリだった。フェルスタッペンはかねてよりアントネッリに好意を抱いており、その才能を認めていると語っていた。

61ポイント差と、タイトル争いで大きく後れを取る結果となったが、フェルスタッペンは冷静だった。

「こんなことは起こるものだ。どのドライバーだって、こういうミスをしたことはある」

「僕にとっては大した問題じゃない」

タイトル争いについて問われても、フェルスタッペンはもはや関心を示さなかった。この日、優勝したのがマクラーレンのオスカー・ピアストリなのか、チームメイトのランド・ノリスなのかにも興味はなかった。

「正直に言うと、僕はスパ24時間レースを観ていた」

チームアドバイザーのヘルムート・マルコ博士は、より厳しいトーンで語った。

「今日は、レッドブルにとって真っ黒な日だった。差は非常に大きく、何かとんでもないことが起きない限り、取り返すのは不可能に近い」

「世界選手権は終わったと考えるしかない(We have to assume that the world championship is over)」

チーム代表のクリスチャン・ホーナーも同様の見解を示した。

「今はオスカーとランドの一騎打ちに見える。彼らが互いに戦っている様子を見る限り、他のドライバーに対して大きな差を築いていることが分かる」

なお、今週末のシルバーストンではレッドブルにとって2025年最後のアップグレードが投入される見込みだ。しかし、その効果について問われたフェルスタッペンは懐疑的だった。

「チームの皆が100%の努力をしているのは分かっているし、僕も落ち込んでいるように見せたくはない。でも、僕らにできるのはただトライすることだけだ」

「僕らは通常、非常に高速なコーナーでは少し強い傾向がある。でもマクラーレンのスピードは本当に馬鹿げている。彼らに勝てるとは言えない」