
レッドブルはこの冬、イギリスとスウェーデンの二重国籍を持つ17歳の若手、アーヴィッド・リンドブラッドをニュージーランドでレースに参戦させた。F1スーパーライセンス取得に必要なポイントを稼ぐためだった。
現在、必要なポイントはすでに満たしているが、残るはFIAからの特別許可だ。規則では、スーパ―ライセンスを取得するには18歳でなければならず、リンドブラッドが18歳になるのは9月であるため、例外措置が必要になる。
レッドブルF1アドバイザーのヘルムート・マルコは、こう語った。
「アーヴィッド・リンドブラッドはスーパーライセンスに必要なポイントは揃っている。でも彼が18歳になるのは9月なんだ。だから今、FIAに対して特例の申請を行っているところだ。キミ・アントネッリも同じように特例を受けた」
オランダ紙デ・テレグラーフ紙は、FIAの世界モータースポーツ評議会が来週火曜日にリンドブラッドのライセンス申請を審査する予定だと報じた。
この動きの背景には、マックス・フェルスタッペンが出場停止処分を受ける可能性がある、という事態への備えがある。フェルスタッペンは現在スーパ―ライセンスの累積ペナルティポイントが危険水域にあり、次戦カナダGPであと1ポイント加算されれば、レッドブルの地元レースであるオーストリアGPに出場できなくなる可能性もある。
マルコはSpeed Weekのインタビューでこう語った。
「マックスには、次の2戦では絶対に違反を犯さないよう伝えるつもりだ。もちろん、軽率な行動は厳禁だとね。もしオーストリアで彼が出場できないなんてことになれば、最悪の事態だ。でも僕たちはそうはならないと考えている。なぜなら、マックスが毎レース何かしらミスをしているわけじゃないからね。オーストリアGPのあとには、幾つかのペナルティポイントが消える予定だ」
仮にフェルスタッペンが出場停止となった場合、最も現実的なシナリオは、レーシング・ブルズ所属のイザック・ハジャーをレッドブルに昇格させ、空いた席にリンドブラッドを起用する形だ。
マルコはリンドブラッドのF2での活躍に注目している。
「彼はバルセロナでのメインレースを制し、ルーキーイヤーにして2勝目を挙げた。このまま成長を続ければ、F1昇格も期待できる。まだ17歳だが、非常に優れた才能を持っている」
一方で、マルコは角田裕毅に対して、2025年シーズン終了まではレッドブルのシートが確保されているだろうと安心させている。
「彼はここ3戦で1ポイントしか獲れていない。それはもちろん物足りない。でも彼にはまだ時間が必要だし、それを与えるつもりだ。シーズン終了まで、彼がマシンに乗り続けると我々は見ている」
