シャルル・ルクレールは、オランダGPで起きたキミ・アントネッリとの接触について、アントネッリが「楽観的すぎた」と非難し、このアクシデントによってリタイアを余儀なくされ、大きな代償を払ったと語った。フェラーリはこの日、2台揃って完走できないという厳しい結末となった。

レース終盤、ルクレールとアントネッリは同時にピットインし、コースにほぼ並んで復帰した。ターン3のバンクに差しかかったところでアントネッリがイン側から仕掛けた際、両者は接触。ルクレールはそのままバリアにクラッシュしてリタイアとなった。

一方のメルセデスは損傷を受けながらもピットに戻り修復後にレースを続行。アントネッリには接触の責任で10秒加算ペナルティが科され、さらにピットレーン速度違反でも5秒加算。結果、最終順位は16位に沈んだ。

ルクレールは無線で、直前のピットストップについて「不要だった」と発言していたが、後に取材で真意を問われるとこう説明した。

「それが今日の全てのストーリーだとは思わない。戦略については議論できるし、僕もチームに伝えた。でもそれが原因で事故が起きたわけじゃない。原因はキミがターン3のイン側で楽観的すぎたことだ。もちろんアグレッシブであるべきだし、ミスは起こるものだ」

「ただ悔しいのは、それでチームに大きなダメージを与えたことだ。レース自体は良かったし、ペースも悪くなかった。最初のセーフティカーで不運に順位を落とした分を取り返すために、かなり攻めなきゃならなかったけど、やるべきことはすべてやった。それだけに残念だ」

ルクレールはレース中、メルセデスのジョージ・ラッセルを相手に果敢なオーバーテイクを成功させる場面もあった。フェラーリの戦闘力について問われると、次のように答えた。

「とても厳しい週末だった。レースを除けば本当に苦しい戦いだったから、モンツァではもっといい形で週末を始めて、総合的にいい流れにしたい」

一方のアントネッリも、接触について振り返った。

「残念だ。レースは良い展開だったし、ペースも強くて追い上げられていた。あのとき仕掛けたけど、大きく突っ込みすぎた感覚はなかった。バンクから少し下がってしまい、その瞬間に接触が起きたんだ」

「相手をリタイアさせるのは気分のいいものじゃない。本当に申し訳なく思っている。ただ今日もいくつかの収穫があったし、前を向いて進んでいく」

19歳の新星は今後について、特に土曜のパフォーマンス向上を課題に挙げた。

「今年はずっと決勝のペースが強い。それがさらに良くなっているのは嬉しいことだ。これからは予選をしっかりまとめて前からスタートすることが重要だ。そうなればレースはまったく違う展開になる」