
F1カナダGPで苦戦を強いられたルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールが、困難なレースを振り返りながらも結果には前向きな評価を下した。フェラーリ代表のフレデリック・ヴァスールも、週末全体を通しての問題点に言及した。
土曜日の予選では、ルクレールがQ3での失敗により8番手に留まり、大きな後退を喫した。一方、チームメイトのハミルトンは5番手と健闘し、決勝でも好スタートを切った。しかし、序盤からオスカー・ピアストリに先行され、その後ランド・ノリスやピアストリに対してもポジションを失った。
ハミルトンは1ストップ戦略を選んだが、ピットインを遅らせたことで大きくタイムを失い、多くのマシンの後方に沈んだ。終盤には無線で落胆の声も漏らし、ターン10の進入でウッドチャック(グラウンドホッグ、マーモット)を轢いていたことが判明した。

その影響でフロントウィングとフロアの中央部に損傷を受け、ダウンフォースが20ポイントも失われていたとヴァスールは明かした。ハミルトンは後続を抑えながら7位でゴールし、ノリスのリタイアによって6位に繰り上がった。ルクレールも5位でフィニッシュしたが、途中チームとの戦略判断で無線が飛び交う場面もあった。
レース直後、ルクレールは1ストップの可能性について主張を続けつつも、実際にそれが可能だったのかを確認したいと語った。彼は、土曜の時点で勝負権を失っていたことが悔やまれるとし、マシンの戦闘力は昨年よりも明らかに良かったと述べた。
「誰かが“グラウンドホッグだった”って言ってたけど、何かに当たったことは感じた。たぶん12周目あたりだったと思う。とにかく、マシンのフロント右側が壊れて、そこからパフォーマンスがガタ落ちだった。0.5秒以上は遅れてたから、ズルズル後退していったんだ」
(ハミルトン)
「まず間違いないのは、マーモットと“接触”してしまったことだ。英語では何て呼ぶんだろうな……マーモットだよ。たぶん8周目か9周目、最初のスティントの序盤で、フロアの前部を完全に壊してしまった。損失は20ポイント分くらいだ。バランスは大きく崩れなかったが、確実にパフォーマンスは落ちていた。マーモットには花を贈らないといけないな」
(ヴァスール)

