
ルイス・ハミルトンがアゼルバイジャンGP初日を最速で締めくくった。フェラーリ勢の仕上がりは上々で、ハミルトン自身は「ブレーキがついに完璧に機能した」と手応えを語る。
FP1では感触をつかみ切れず壁に軽く接触する場面もあったが、FP2に向けてセットアップと制動系の調整を進めると、一転してコーナー進入で大きくタイムを稼げる状態に。
「ブレーキングでアドバンテージを作れた。大きな前進だ」と振り返った。もっとも「金曜はあくまで練習」と過度な楽観は排し、路面の進化や風向きなどで勢力図が揺れる可能性を示唆した。
背景には、今季序盤から続いた制動特性への適応の難しさがある。長年メルセデスで使ってきたカーボン・インダストリー製から、フェラーリのブレンボ系統へ。制動の立ち上がりやペダルフィールの差は小さくないとされ、春先には「運任せだ」と表現するほど一貫性に苦しんだ。
今回のブレークスルーは、その連続性を取り戻しつつあるサインでもある。予選ではソフトの温度管理が鍵。フェラーリにとっては、ここバクーで反攻の狼煙を上げる絶好の機会になりそうだ。