2024年シーズン、ランド・ノリスが見せる率直な姿勢について、マクラーレンのザック・ブラウンCEOが「感情をさらけ出しすぎているのではないか」との懸念を示した。
ブラウンは「Auto Motor und Sport」のインタビューで、記者マイケル・シュミットから「フェルスタッペンは問題を解決し、ノリスは問題を語る」という世間のイメージについて問われた。2024年のF1ドライバーズチャンピオンシップ争いでは、ノリスとフェルスタッペンが激闘を繰り広げているが、現在優勢なのはレッドブルのフェルスタッペンだ。
ノリスはメディアに対して、自らのミスやメンタルヘルスについて率直に語ることで知られる。これに対してブラウンは、「今の時代、弱さを認めることは強さの証だ。しかし、時に言葉を控えたほうが良いこともあるかもしれない」と指摘した。一方で「ノリスのその姿勢がレースでの弱さにつながるとは思わない」とも述べた。
フェルスタッペンと比較されるノリスの戦い
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、「マックス・フェルスタッペンはセナやミハエル・シューマッハのように、完璧でない車でも勝てるドライバーだ。一方、他のドライバーは完璧な車でなければ表彰台に立てない」とノリスとの違いを強調した。
しかしブラウンはノリスを擁護し、「彼は今年いくつかの場面で見事な走りを見せた。オースティンでは唯一できたことがマックスの車に突っ込むことだったが、それはノリスのスタイルではない」と語った。
マクラーレンの進化とタイトル争いの行方
2024年シーズン、マクラーレンは序盤のレースでポイントを失ったものの、ブラウンは「我々はミスから学び、シーズン序盤よりも良いチームになった」と述べた。シルバーストン、モントリオール、モンツァでは勝利の可能性があったが、経験不足が響いたと認める。
現在、ドライバーズタイトルの可能性は低いが、マクラーレンはコンストラクターズタイトル争いで依然として優位に立つ。しかし、ブラウンは「フェラーリが非常に強く、彼らはレッドブル以上に厄介だ」と警戒感を示した。
ブラウンは「我々の2024年は決して失敗ではない」と強調した。「マイアミまで今の車がなかったため、多くのポイントを失ったが、現在のチームはシーズン序盤よりも成長している」と語る。
来季に向けた教訓
ブラウンは「タイトルを逃したとしても、それはシーズン序盤の結果だ。ハンガリーでノリスとピアストリの順位を入れ替えたことが原因ではない」と冷静に振り返った。
2024年シーズン、マクラーレンとランド・ノリスは数々の課題に直面しながらも進化を遂げた。次なる挑戦に向けた彼らの動向から目が離せない。今後もF1ファンにとってドラマチックな展開が待ち受けているだろう。