
ダニエル・リカルドが現役引退を正式発表した。F1優勝8回、36歳のリカルドはフォードのモータースポーツ部門「Ford Racing」のグローバル・アンバサダー就任も同時に明らかにした。声明でリカルドは「僕のレースの日々はもう終わった」と記し、新たな役割でモータースポーツに関わり続ける決意を語った。発表はモンツァの週末に合わせて行われた。モンツァは、2021年イタリアGPで挙げた通算最後の勝利の地でもある。
Ford Racingでの活動は、再編された同部門の顔として各カテゴリーを横断し、とりわけRaptor系を中心とするオフロード領域の発信に力点を置く見通しだ。フォードは2026年からレッドブルと次期F1パワーユニットで提携して復帰する計画で、古巣との接点も残る形になる。
リカルドのF1戦績は輝かしい。2011年デビューから2024年シンガポールGPまで、257戦に出走し、優勝8回(7勝はレッドブル、1勝はマクラーレン)、表彰台32回、ポールポジション3回、ファステストラップ17回、通算1,300ポイント超を記録した。最高位は2014年と2016年のドライバーズ選手権3位。HRT、トロロッソ、レッドブル、ルノー、マクラーレン、レーシングブルズと多くのチームから声が掛かり渡り歩いた。攻撃的なレイトブレーキングで数々の名勝負を演出した人気者は、ステアリングを置くことを決心したが、今後もモータースポーツの最前線に携わり続ける。