F1アカデミーのマネージングディレクターであるスージー・ウルフが、ルイス・ハミルトンのF1への貢献が「十分に評価されていない」と語った。発言はポッドキャストHigh Performanceでのもので、彼が競技成績を超えてF1の文化や価値観に与えた前向きな影響に言及したのだ。ウルフはハミルトンが長年にわたり自らの声を社会的な善のために使ってきた点を強調し、その存在がグリッドの内外に波及していると評価した。

「ルイスはしばしば、彼の影響力に見合うだけの称賛を受けていない。彼はトラックの内でも外でも、前向きな変化を起こしてきた」

発言する勇気を示し続けてきた姿勢や、若い世代・多様なバックグラウンドのファンに門戸を広げた点が挙げられる。マイノリティの声を代弁、積極的に議論に参加し、自国の首相をはじめ政治家などとの接点も作り続けてきた。スポーツにおける勝敗やタイトル数では測れないリーダーシップが、現在のF1の空気感を穏やかに、しかし確実に変えてきたという見立てだ。

ハミルトンは7度の世界王者としてしばしば脚光を浴びる一方で、議論の焦点は成果や物議に偏りがちだ。ウルフの言葉は、その陰で積み重ねられてきた影響—選手が声を上げることの当たり前さ、開かれたコミュニティの形成—に光を当てる。評価の再点検を促す今回のメッセージは、F1がどの方向へ進むべきかを考える上で重要な示唆を含んでいる。今回の発言は、欧州メディアのMotorsport-TotalやMotorsport.com、Eurosportなどが相次いで伝え、ファンの間でも議論を呼んでいる。