

6戦連続でノーポイントに終わっていたランス・ストロールが、F1第12戦イギリスGPで7位に入り、久々のポイントを獲得した。しかし、レース後の無線で彼は、AMR25について「人生で運転した中で最悪のクソマシンだ」と辛辣に評した。
F1 2025シーズン開幕からダブル入賞で好調なスタートを切ったストロールだったが、それ以降はグランプリでポイントを重ねることができず、マイアミのスプリントでわずかに加算するに留まっていた。
その後、アストンマーティンは、ストロールが2023年にサイクリング事故で両手首を骨折し、その手術に関連する手首と手の痛みに苦しんでいたことを明かした。ストロールはその後さらなる手術を受け、母国カナダGPで復帰していた。
そんな中、彼にとって今季最大の試練とも言えるのが、豪雨に見舞われたシルバーストンでのレースだった。コースにとどまることすら難しいコンディションの中、アストンマーティンの戦略判断が光り、一時は3位を走行。しかし、トラックが乾き始めた終盤にニコ・ヒュルケンベルグとルイス・ハミルトンに抜かれ、最終的に7位でチェッカーを受けた。
これがストロールにとって、グランプリとしては10戦ぶりの入賞ポイントとなった。
しかし、AMR25のハンドリング、特にインターミディエイトタイヤでの挙動には強い不満を抱いていた。クールダウンラップ中の無線では、エンジニアのゲイリー・ギャノンとのやり取りが記録されている。
ギャノン「チェッカーフラッグだ、ランス。チェッカーフラッグ」
ストロール「このタイヤ……インターでは、1周ごとに何秒も失ってたんだ」
ギャノン「それでも7位でフィニッシュしたんだ、ランス。このマシンでここまで走ったのは本当に見事だったよ。素晴らしいドライブだった。7位、フェルナンドは9位。大事なポイントを取った。難しい状況の中で、本当にいい仕事だった」
ギャノン「クレイジーなクルマだったけど、素晴らしい結果だったよ」
ストロール「クレイジーなんてもんじゃないよ。正直、人生で運転した中で最悪のクソマシンだった( I mean, it’s the worst piece of sh*t I’ve ever driven in my life to be honest)。でもまあ、7位だ」
ギャノン「本当にいい走りだったよ、ランス。困難な一日だったけど、素晴らしい結果だ」
この結果により、アストンマーティンはコンストラクターズランキングでレーシング・ブルズと並ぶ36ポイントに到達。3位表彰台を獲得したヒュルケンベルグ擁するザウバーに対しては、わずか5ポイント差に迫った。
レース後、PlanetF1.comを含むメディアの取材に応じたストロールは、インターとソフト両方のタイヤで大きなデグラデーションに悩まされていたと語り、7位は「望み得る最良の結果だった」と明かした。
「結果としては良かったと思う。とにかくデグラデーションがひどくて、まともに戦える状態じゃなかった」
「ザウバーのマシンはグリップがかなりあって、はるかに速かった」
「今の僕たちのデグラデーションでは、正直これ以上の結果は望めなかった。終盤のソフトタイヤなんて、完全に粒状化してて、コースにとどまるのがやっとだった」
「インタータイヤでも、一時はザウバーに対して20秒もタイムを失ってた。とにかく消耗が激しすぎる」
「この状況じゃ戦うのは難しいけど、それでも結果は悪くないし、戦略もうまくいった。それは良かったと思う」
