
アルピーヌでの復帰を探っていたジャック・ドゥーハンの「最終3戦」復帰計画が消滅した。幾つかのモータースポーツメディアの取材によれば、今季終盤(11月以降)の3戦でシートを取り戻す可能性として検討されていた選択肢が締め切られ、ドゥーハンの今季中のF1復帰は事実上不可能になったという。
背景には、シーズン途中に同チームの起用方針が揺れ、フランコ・コラピントを今季継続起用する流れが固まったこと、そして残り戦数の少なさから評価の場を用意する合理性が薄れたことがある。アルピーヌは2026年の勢力図を見据え、現在の体制で年内を走り切る見通しだ。ドゥーハンは今季序盤6戦で結果を残せず降格、以降は復帰機会を模索してきたが、今回の決定で来季へ向けた進路選択が焦点となる。
実戦評価の窓が閉じたことは、本人にとって痛手だが、同時に他チームのリザーブや開発ドライバーとしての再出発、あるいは耐久カテゴリーなどを経由した再挑戦など、キャリア再構築の現実的シナリオが出てくる。年末の短期復帰に賭ける局面は終わり、次は2026へどう繋ぐかだ。