マクラーレンはタイトル争いの主軸をどちらに据えるべきか—。元ハース代表のグンター・シュタイナーが「今はピアストリを優先すべきだ」と警鐘を鳴らした。根拠は明快で、現時点でタイトルリードはオスカー・ピアストリが握っており、チーム内の軋轢が長引けば両者とも取りこぼすリスクが高まるという見立てだ。

シンガポールGPでは開幕直後の接触と強気の攻防が火種となり、チームの“平等主義”と現実的な勝負勘の両立が問われた。マクラーレンが導入した内部指針「パパイヤ・ルール」も、ドライバー間が直接タイトルを争う今こそ最大のストレステストを迎えている。

シュタイナーはポッドキャストで「彼(ピアストリ)の方がポイントを持っている。ランドへの当てこすりではないが、今は彼を支えるべきだ」と明言。対して識者には「両者を自由に戦わせるべき」とする意見もあり、判断は容易ではない。だがコンストラクターズを既に手中に収めた今、マクラーレンの次の一手はドライバーズ王座の最短経路を描くことだ。優先順位を曖昧にすれば、フェルスタッペンら外敵の巻き返しを招きかねない。残り戦数は多くない。ピットウォールの決断が、2025年の冠の帰趨を決める。