

カルロス・サインツSrは、FIA会長選への出馬を検討していたが、熟慮を重ねた末に断念する決断を下した。現在も現役ドライバーとして活動を続ける彼にとって、最大の優先事項はドライビングキャリアを全うすることだという。
ここ数ヶ月、サインツSrは現FIA会長モハメド・ベン・スライエムに対抗する有力候補として名前が挙がっていた。一方で、スライエムは各地域の支持を得て、公開署名という形で後ろ盾を強化していた。
この動きは、サインツSrにとって大きな壁となった。短期間で十分な支持を集めることは難しく、時間的余裕もない中で、彼は最終的に立候補を取りやめる決断を下した。慎重な調査を経て、自身にとって最も現実的な道を選んだ形となる。
彼にとって最大の目標は、今も変わらずダカール・ラリーでの競技参戦であり、それがFIA会長への道にとって大きな障害となっていた。そのため、今回の出馬をいったん見送ることにしたという。ただし、これが完全な撤退なのか、次回に向けて準備を進めるのかはまだ明らかではない。彼の視線は依然としてモータースポーツ界の未来と改革に向けられている。
「このメッセージは、今年のFIA会長選挙への出馬を最終的に断念したことを公に表明するためのものだ。ここ数ヶ月、FIAの現状と、この重要なプロジェクトに伴う要求や複雑さを深く理解するために懸命に取り組んできた」
「熟考の末に、現時点の状況では僕の立候補の土台を築くには理想的ではないという結論に至った。さらに、FIA会長としてしっかりと選挙戦を戦うことは、ダカールへの準備を著しく妨げると気づいた。僕はフォードやチームへの責任を軽んじたくない」
「そうした懸念から、現実的な判断を下し、今回のFIAへの挑戦を見送ることにした」
「選挙戦からは退くが、モータースポーツ界に貢献したいという情熱は変わっていない。FIAには必要な改革があり、それが今後数年で進むことを僕は心から願っている。レースとモビリティは僕の人生そのものであり、これからもFIAの動向を大きな関心をもって見守り続けるつもりだ」
「これからも、世界中の道路利用者にとってモビリティがより良いものになるように、意味のある形で貢献していきたいと思っている。最後に、ここ数週間で多くの励ましとアドバイス、そして応援の言葉を送ってくれた皆さんに心から感謝したい。それらの声が、僕の今と未来に向けた目標を追い続ける勇気を後押ししてくれた。本当にありがとう」
