
カルロス・サインツがバーレーンGPでのリタイアのきっかけとなった角田裕毅との接触について見解を示した。このレースについて「フラストレーションの溜まる展開だった」と語り、序盤は有望な滑り出しだったことも明かしている。
グリッド8番手からスタートしたサインツは、序盤こそ好スタートを見せたものの、周回を重ねるごとに徐々にポジションを落としていった。その中で、フェルスタッペンやハミルトンといった強豪との接近戦も繰り広げ、ポジションを守ろうと奮闘していた。
レースが折り返し地点に差しかかる頃、ウィリアムズのサインツは角田裕毅とバトルを展開していた。しかし、1コーナー出口で2台の距離が縮まった瞬間、角田がスライドしたことで両者が接触し、その影響でFW47は損傷。デブリがコース上に散乱する事態となった。
サインツは一時的に走行を続けたものの、セーフティカー明けの再スタート時にメルセデスのキミ・アントネッリを押し出したとして10秒のタイムペナルティが科されるなど、不運が重なる展開となった。そして最終的にはマシンをリタイアさせ、サクヒールでの厳しい夜を終えることとなった。
「正直なところ、レース中はずっと、自分たちより速いマシンと戦っていた。彼らと一緒に走って、ついていこうとするが、そのぶんタイヤを余計に消耗してしまい、最終的には遅れていくという、フラストレーションの溜まる展開だった。」
「それでも一度は彼らについていこうと挑戦し、その後、後退し始めた。そして、角田とのバトルで少し混乱した状況になった。彼が1コーナーでインに大きく飛び込んできて、立ち上がりでリアを失い、自分と接触した。」
「それが原因でダメージを負い、その時点からマシンのパフォーマンスは1秒から1.5秒ほど落ちてしまった。だからリタイアするしかなかった。」
「残念なことだ。というのも、ある時点では今年初の大量ポイントを獲得できそうな気配もあった。しかし我々にはまだ少しペースが足りず、いくつか改善すべき点がある。それでも、正しい方向には向かっていると感じている。」
今季ウィリアムズのマシンに適応を進める中で、今週末のレースがチーム全体にとって前進を示すものだったかどうかについて問われたサインツは、こう語った。
「そうだ。ただし、ミッドフィールドではすべてが完璧でなければポイントを取るのは非常に難しい。レースでは速いマシンと戦おうとして、我々はタイヤを少し使いすぎてしまった。そして徐々に後退していった。」
「だが、ペースを取り戻して角田をオーバーテイクし、ポイント圏に戻そうとしたそのタイミングで接触によるダメージが発生した。クリーンな週末を目指していたのだが、今回もそうはならなかった。それでも、確実に近づいてきているとは感じている。」
