
今季のカルロス・サインツは、深刻な低迷に突入した。
「最近はいろいろなことが起こっているんだ」
実際、サインツは今季序盤から次々とトラブルに見舞われていた。オーストラリアではギアのシフトアップ不良、母国スペインGPでは複数の技術的問題、カナダでは冷却システムの不調、そしてレッドブル・リンクでは予選と決勝前にまたしてもマシンの不具合が発生した。
「正直に言って、今年の前半はずっとトラブル続きだったから、そういう意味では本当に厳しかったんだ。でも、いつかこの不運も終わるはずだし、物事は最終的にはうまくいくと信じてるよ」
サインツは、問題が自身のマシンだけではないことを認めている。
「そうだね、アレックス(アルボン)のマシンにもまた問題が起きたんだ。なぜ予選と決勝でこれだけ多くの問題が発生しているのか、突き止める必要がある。ブレーキ、エンジン、オーバーヒート…ここ数週間ずっと続いているんだ。そういう意味では、僕らは少し弱い部分がある。でも、歯を食いしばって、どうすれば改善できるかを考えるしかない」
一方で、ウィリアムズの代表ジェームズ・ヴォールズは、チームの再構築プロセスについて一貫して公言しており、2026年のレギュレーション大改革に向けた新プロジェクトこそが、現在の開発の優先事項であると明かしている。
サインツも、その方針を理解している。
「これもウィリアムズでの僕たちの旅の一部なんだ」
「チームは今、再構築を強いられている。見ての通り、まだ多くの問題や改善点を抱えている。でも、僕たちは努力を続けていくよ。冷静に、立ち直り、失敗から学びながら、再び前を向いて進んでいくつもりだ」
しかし、数々の問題に直面しながら精神面を保つことの難しさについても、サインツは率直に語っている。
「難しい質問だね。これだけ多くの問題を抱えていれば、ドライバーのメンタルやモチベーションにとって理想的とは言えないよ。でも、もし一つだけ問題がないとすれば、それはスピードなんだ。ほとんどの週末で、僕らにはスピードがあるからね」
「まだ適応の初期段階にいるけど、問題なのは、週末の大事な場面で何かしらの不具合が起きてしまうことだ。そうなると、いくらスピードがあっても意味がなくなる。それが今、僕たちに起きている現実なんだ」
