カルロス・サインツがアメリカGP決勝で起きたキミ・アントネッリとの接触の責任を問われ、次戦となるメキシコシティGPで5グリッド降格のペナルティを受けることが決まった。

決勝序盤、サインツはアントネッリのメルセデスと激しい攻防を繰り広げていた。7周目のターン15で内側からオーバーテイクを試みた際、両者のマシンが接触。アントネッリはスピンしてコースアウトし、順位を落として再走した。一方のサインツは直後にマシンを止め、このレース唯一のリタイアとなった。

レース後、スチュワードは両ドライバーとチーム代表を呼び出し、詳細な聴取を行った結果、サインツが主な原因であると判断した。これにより、サインツには次戦での5グリッド降格とライセンスに2点のペナルティポイントが科された。スチュワードの声明にはこう記されている。

「55号車はターン15で12号車に対しイン側からオーバーテイクを試み、頂点で両車が接触した。55号車のドライバーは、12号車のドライバーが エイペックス(コーナーの頂点)でスペースを残すと考えていたが、12号車は早めにターンインし、衝突を避けられないと分かった時点で55号車はブレーキをロックさせた」

「55号車のドライバーは、12号車のドライバーがオーバーテイクを予測し、接触を避けるためにスペースを残すべきだったと主張した。しかし、エイペックスに到達する前に55号車のフロントアクスルが12号車のミラーの位置にすら並んでいなかった。よって、ドライビングスタンダードガイドラインに基づき、55号車はスペースを要求する権利を得ていなかったと判断する。スチュワードは55号車のドライバーが主に責任を負うと認定し、相応のペナルティを科す」

サインツがリタイアしていたため、通常の10秒タイムペナルティに相当する形で次戦に5グリッド降格が適用される。メキシコシティGPは10月24〜26日の週末に開催される予定だ。

レース後、サインツは次のように語った。

「外から見るとすごく悪く見えるかもしれないけど、僕の中ではそれほどでもなかった。残念な結果になってしまったのは本当に悔しい」

一方、アントネッリは冷静に振り返った。

「彼はあのコーナーを曲がりきれなかったと思う。僕は少しでもスペースを与えようとして エイペックスに寄らずに走ったけど、結局ぶつかってしまった。残念だけど、前を向いて進むしかない」