
元レッドブルのドライバー、ダニール・クビアトが、古巣の2025年型マシンは依然として速さを持っており、現在選手権をリードするマクラーレンに匹敵すると主張した。また近年、レッドブルがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを確保するのに苦戦している理由についても語った。
クビアトは2015年から2016年途中までレッドブルに在籍していたが、その座をフェルスタッペンに譲る形でチームを離れている。フェルスタッペンはその後、2021年から2024年にかけて4年連続でタイトルを獲得するなど、チームの絶対的エースへと成長した。
しかし2025年シーズンは、レッドブルがマクラーレンに押される展開が続いている。フェルスタッペンは今季2勝を挙げているが、マクラーレンはすでに5勝を記録。先週末のエミリア・ロマーニャGPでの劇的な勝利も、フェルスタッペンにとっては苦闘の中での一筋の光だった。
古巣の現状について、クビアトは次のように語った。
「もちろんレッドブルのマシンは今でも速い。でも、動作するウィンドウが非常に狭いように見える。だからこそ、エンジニアやドライバーがそのマシンを熟知していれば、大きな差を生み出せるし、そのウィンドウにうまく入れられれば本当に速くできるんだ。
逆にそこに入れられなければ、マクラーレンよりも大きく劣って見える。でも、正しく機能する状態に持っていければ、マクラーレンと同等に戦える。予選では、新しいタイヤやグリップの恩恵で差が隠れることもある。マイアミのように、マクラーレンがレースペースで一貫性を見せた場面が象徴的だった。彼らはトラクション、タイヤの管理、温度管理と、全てを完璧にこなしていたよ。
このレベルでは、ギャップがごく僅かなだけに、それが決定的な差になるんだ。」
また、RB21がフェルスタッペンのドライビングスタイルに最適化されており、それがチームメイトたち—特にセルジオ・ペレス—が苦戦した理由かもしれないという指摘についても、クビアトはこう述べた。
「そうかもしれないし、理屈としてはその方が自然だと思う。
でも、さっきも言ったように、F1マシンは細部がすごく重要なんだ。タイヤの温度、作動範囲、セットアップ、空力ウィンドウ——全部が絡んでくる。どれか一つでも欠ければ、結果は壊滅的になる。
ドライバーとして優れていても、マシンやタイヤを適正な状態に持っていけなければ、0.5秒も遅れることになる。それが普通なんだ。僕自身、F1初期にはそうしたプロセスを苦労して学んだ。非常に興味深いプロセスだけど、迷い込めばチャンスをすべて失う可能性もある。
チェコ(ペレス)の件については、僕はそのマシンを運転していないから断言はできない。」
また、レッドブルが、リアム・ローソンをわずか2戦で角田裕毅にスイッチした件について、以下のようなコメントを残した。
「難しい判断だったと思うよ。チームは自分たちにとって最善だと考えることをやるはずだからね。
でも、明らかにチームの片方——フェルスタッペン側は完璧に機能しているように見える。一方で角田の方は、全てが少し混乱しているようにみえる(everything seems to be a little bit messier.)。
僕はチームの中にいないから、細かいことまでは分からない。ただ一つ言えるのは、正しく機能すればレッドブルのマシンは今でも速いということ。なぜ機能させられないのか?それはまた別の問題だね。」
