キャデラックF1チームは、2026年のF1世界選手権デビューに向けた体制構築の一環として、アメリカ人ドライバーのコルトン・ハータを初のテストドライバーに起用すると発表した。

25歳のハータはインディカーで9勝、16回のポールポジションを獲得し、116戦で通算1000周以上をリードしてきた。2019年にはサーキット・オブ・ジ・アメリカズで史上最年少優勝と最年少ポールポジションを達成し、その名を刻んだ。

今回の起用により、キャデラックは8月に発表したバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスに加え、アメリカ人ドライバーを早くもチームの陣容に加えることになった。

ハータにとっては、新たな挑戦であると同時に懐かしい舞台への帰還でもある。ティーンエイジャー時代にヨーロッパへ渡り、ユーロフォーミュラ・オープンで4勝、6回の表彰台、5回のポールを獲得。さらにイギリスF3ではブランズ・ハッチで優勝を飾った。その後2017年にアメリカへ戻り、キャリアを築いてきた。

シングルシーターの実績に加え、耐久レースでも活躍しており、デイトナ24時間レースでは2019年と2022年にクラス優勝、2024年にはセブリング12時間レースで総合優勝を成し遂げた。

「これは夢のようなチャンスで、長い間追い求めてきたものだ。キャデラックF1の参戦に、こんな大事な時期から関われることは断る理由がなかった。僕の夢はずっとF1で走ることだし、このステップはその目標に大きく近づくものだと思っている。今はキャデラックF1のために全力を尽くし、競争力のあるチームを築くことに集中したい」

チーム代表のグレーム・ロウドンは次のように語った。

「コルトン・ハータをテストドライバーとして迎え入れることを心から嬉しく思う。彼はスピード、レースクラフト、そして年齢を超えた成熟度を持つ傑出したレーサーだ。アメリカ最高峰のモータースポーツで培った経験は、この役割に理想的であり、我々の未来に向けて新鮮で貴重な視点をもたらしてくれるだろう」

「アメリカのF1チームにアメリカ人ドライバーが加わるというのは、我々にとってだけでなく、アメリカのモータースポーツ全体にとっても大きな意義を持つ瞬間だ」