2024.11.12
バーニー・エクレストンは、ルイス・ハミルトンが8度目のドライバーズタイトルを獲得する可能性に懐疑的である。
39歳のハミルトンが来年フェラーリに移籍する決断は、トト・ウォルフにとっても驚きであったが、メルセデスのチーム代表はこの動きがチームにもプラスになると認めている。「我々がスポーツ界の象徴的なドライバーに退くよう告げる瞬間を避けられるのだから」とウォルフは新刊『インサイド・メルセデスF1-ライフ・イン・ザ・ファストレーン』で述べた。
「F1は認知の鋭さが非常に重要なスポーツだ」と、ウォルフは語り、18歳の期待の新人、キミ・アントネッリをハミルトンの後任に据えることを明らかにした。「(サッカー史上最高の監督の1人といわれる)サー・アレックス・ファーガソンや(マンチェスター・シティFCの監督)ペップ・グアルディオラは、トップ選手のパフォーマンス低下を見越して若手を育成し、次世代を担わせている」。
事実、ハミルトンは2022年からのグラウンドエフェクト時代に入り、チームメイトのジョージ・ラッセルと比べて苦戦が続いている。最近のブラジルGPでは「シーズンを最後まで戦うより休暇を取りたい」とさえほのめかしていた。
元F1最高責任者のエクレストンも、ハミルトンが来年フェラーリで輝くことは難しいだろうと予測している。「彼は無理だと思う」とデイリーメールに語り、「あのチームで成功するのは簡単ではない。特に彼らはシャルル・ルクレールを支持する。ルクレールは速いし、フェラーリで育ってきたからだ。誰であっても彼を差し置くことはない」。
しかし、エクレストンはビジネス面で見ると、ハミルトンがフェラーリの誘いを受け入れたことは賢明だと考えている。「メルセデスにはもう居られなかったのだろう。彼がメルセデスを諦めたのか、チームが彼を諦めたのか、どちらかだ。チームも彼を引き留めようとはしなかったので、移籍した方が良かった」。
一部では、ハミルトンが失望し、フェラーリとの契約を白紙に戻す可能性もささやかれている。「そうなれば大きな金銭的な損失になるだろうが、契約のボーナス条項は現実よりも彼を満足させるためのものだと思う」とエクレストンは語る。「フェラーリを率いるジョン・エルカンにとっては、自分が世界最高のドライバーを手中に収めたと感じることが重要だったのだろう。だが、もしハミルトンが衰えているなら、別のことに挑戦して成功を収めるのが良いだろう」。