ウィリアムズは、アレックス・アルボンに“より一貫した”マシンを与えるため、セットアップの方向性を見直す。メキシコGPで2戦連続のQ1敗退となり、ここ4戦で獲得したポイントはスプリントの3点のみと失速。とはいえ、アルボンは今季73点でドライバーズ8位、中団の筆頭というポジションだ。ジェームズ・ヴァウルズ代表はメキシコでタイヤ温度の作動域やベースセットの詰めに問題があったと認め、姉妹車を走らせたカルロス・サインツのデータから得た知見をブラジル以降に反映すると語った。

目指すのは一発の速さよりも“扱いやすく予測可能な”ベース作りだ。ディファレンシャルなど運転ツールとメカセットの対応関係を整理し、アルボンが限界付近でも挙動を読めるプラットフォームへ。チームは軽微な不具合の積み重ねを解消し、セットアップをサインツ寄りの方向に寄せることで、安定した予選パフォーマンスと決勝での取りこぼし削減を狙うという。

ヴォールズ代表は「ミリ秒単位の速さではないかもしれないが、確かな足場を築くことが重要」と強調。突発的なピークよりも運動特性が読みやすい“土台”を優先し、路面温度や風向が変わってもバランスが崩れにくい挙動を狙う。予選Q1の再発を防ぎ、決勝でのタイヤマネジメントとスティント一貫性を上げることで、積み上げ型のポイント獲得に結びつけたい考えだ。低迷ムードを払拭できれば、今季中団の台風の目となったアルボンの評価にも再び追い風が吹くはずだ。