サンパウロGP、アンドレア・キミ・アントネッリはカナダでの3位を超え、自己最高位の2位表彰台を手にした。デビューイヤーで2度目の表彰台という順調な成果を見せつけ、存在感を示した。
シーズン決勝終盤、アンドレア・キミ・アントネッリが背後から猛然と迫るマックス・フェルスタッペンを相手に神経を研ぎ澄ませた。残り数周で間合いは一気に縮まり、視界いっぱいにレッドブルのノーズが映る場面もあった。アントネッリは「終盤フェルスタッペンに捕まった時は危なかった」と率直に振り返り、ミスが一点でもあれば順位を守れなかった可能性を認めた。
メルセデスの新星は、レースを通じて完璧ではなかったと自己評価している。マシンにはダメージがあり、ブレーキングの安定性と中高速でのバランスに影響が出ていたと説明した。とりわけ路面のラバーが乗った時間帯ではフロントの入りが鈍り、旋回後半で姿勢を整えるのに余計な手を要した。それでもタイヤのウィンドウを外さぬ温度管理と、立ち上がりでのトラクション確保に集中し、最後の数周を“守り切る走り”に切り替えた。
表彰台争いの緊張は、若手には試練であり財産でもあるのである。アントネッリは、追い立てられる側のプレッシャーを知ったことが今後の糧になると語った。セットアップの方向性については、単独走行時の速さだけでなく、乱流下での安定とタイヤ保護の両立をさらに磨く必要があると総括した。

