フェルナンド・アロンソは、現代F1におけるドライバーの自由度の少なさを惜しんでいる。現在のF1は技術に大きく依存しており、ドライバーの裁量が限られているためだ。

この数十年でF1は技術の進歩とともに急速に変化し、エンジンモードの制限をはじめとする規則によって、チームやドライバーの裁量が大幅に縛られてきた。現在はDRSがあるものの、使用可能区間や条件が厳しく規定されており、かつてのKERSのように「6秒間のブーストをいつ使うか」をドライバー自身が自由に選ぶ余地はなくなっている。

幾度ものレギュレーション変更を経験し、さらに2026年の新規則導入を控える中で、アロンソは「コクピットからもっと自由に戦略を操れる時代」を懐かしんでいる。

「そうだと思う、分からないけどね。僕たちは2026年のマシンがどう走るのか、どれほど運転が難しいのか簡単なのかを待ってみないといけない」

「でも、やっぱりコクピットで自分自身のパラメーターやマシンの性能を変えられた日々が懐かしいんだ。昔はエンジンの回転数を調整して、週末に数周だけ最大パワーを引き出すこともできた。それからKERSが導入されて、6秒間のブーストを僕たち自身が自由に使えた。常に最適な場所で使うわけじゃなく、予選だけでなく、レースではオーバーテイクや後ろからの攻撃を防ぐために戦略的に使っていた」

「あの頃が本当に懐かしい。今年や来年のマシンでそういう自由があるかどうかは分からない。でも僕には、まだシステムが自動化されすぎているように見えるんだ」

「直線では自動的にストレートラインモードや最大ダウンフォースモードになり、エネルギーの配分も今年と同じようにほとんど自動で行われる。だから、やっぱりもう少し自由が欲しい。もっとドライバー自身に自由度が与えられるべきだと思っている」

アロンソはそう言い切った。テクノロジーが支配する現代F1にあっても、彼は「ドライバーが主導権を握れる戦い」を渇望している。