

F1イギリスGPではアストンマーティンにとってダブルポイント獲得という結果になったが、チーム内の雰囲気は決して明るくなかった。
アロンソにとって、序盤は好調な展開だった。数名のドライバーがスリックタイヤに交換する中、彼はポジションを上げ、良い位置につけていた。しかし、早すぎる1回目のピットストップによって順位を大きく落とし、チームメイトのストロールの後ろに沈む形となった。この判断にスペイン人ベテランは不満を募らせた。無線ではチームへの苛立ちをあらわにし、次のように語った。
「チームはストロールの戦略はほとんどうまくやるのに、僕のときはそうじゃない」
その後アロンソは、レース中に取り戻したポジションを再び失うことになる。最終的には再びスリックに履き替える際も早すぎる判断となり、それが響いた。
レース終盤に順位を8位まで戻したが、最終ラップでアレクサンダー・アルボンに抜かれ、最終的に9位でのフィニッシュとなった。もしチームがストロールと同じ戦略を採っていれば、ニコ・ヒュルケンベルグやルイス・ハミルトンと表彰台争いをしていた可能性もあった。メディアに対し、アロンソはレースをこう総括した。
「本当に難しいレースだったし、僕たちにとってはチャンスを逃した形になった。納得はしていない。7番手スタートで9位フィニッシュ。どこかで戦略を失敗したんだ」
「こういう状況では、彼(ストロール)のガレージ側のほうが正確な判断をしていることが多い。彼らは良い仕事をした。実際、僕が最初のピットに入る前に、ランスは2回もピットストップしていて、その時点で3位に上がっていた」
「だから理解に苦しむんだよね。同じチーム内にもう1台マシンがあって、その車が3位にいるなら、どうしてその情報を僕のガレージ側で活用できないんだ?僕には経験があるけど、データはない。ピットの指示があれば従うしかない。路面状況を伝えることはできるけど、それ以上は無理なんだ」
「“ドライバーの判断で勝てる”とか言う人がいるけど、それはクソだ。今のレースはすべて車の中にあるデータに基づいて動いている。最初のピットは判断が難しかったとは思う。ハミルトン、ラッセル、ガスリー、サインツ、僕…みんな同じラップで入ったからね。P5、P6、P7だった僕たちにとって、あそこでギャンブルするのは本当に難しかった」
「でも僕らは結局、エステバン、ランス、ニコといった、最初のストップでより良い判断をしたドライバーたちの後ろでレースを再開した。そして2回目のストップでは…僕が最初にドライに履き替えたんだけど、チームはインタータイヤの表面温度が落ちてきたと判断した。それでピットに入ったけど、また25秒くらい失ってしまった。本当にフラストレーションの溜まる展開だったよ」
