アルピーヌの経営陣が、シーズン最終盤になっても中団勢が改良を投入し続けている現状に「不意を突かれた」と語った。チームのスティーブ・ニールセン常務は、ライバルが20戦を超えてなおアップグレードで前進している一方で、アルピーヌは早期に今季型の開発を止めたことが競争力の差として表面化したと説明した。終盤のポイント合戦が年内ぎりぎりまで激化するなか、同チームは開発投資のタイミングと配分において読み違いがあったと事実上認めた形だ。

今季のマシンA525は開発停止の影響で苦戦が続いたが、インテルラゴスでは一時的に挙動が「昼と夜ほど」変わり、スプリントで入賞圏を確保する場面もあった。とはいえ、その好転は持続的な改良の積み上げで勢いを得た他チームには及ばず、総合力の不足を露呈した。アルピーヌは2026年の大規模レギュレーション変更へ向けた長期的集中を掲げるが、ニールセン発言は、当面の実力差を埋めるには短期の機会を捨て過ぎたという反省をにじませる内容だった。競争環境の厳しさを改めて示す発言であり、オフに向けて組織の判断と機動力が問われる。