角田裕毅の復調とイサック・ハジャーへの視線が交錯している。チーム代表ローラン・メキースは、メキシコGPを前に角田のパフォーマンスの重要性を改めて強調した。

ハジャーは2026年に角田の後任最有力と目されているが、オースティンでは苦しい週末を過ごした。予選でクラッシュし、決勝でも順位を大きく落とす結果に終わった。一方で角田は今季屈指のパフォーマンスを見せ、対照的な結果となった。

それでもハジャーは、自身の昇格について積極的に発言を続けており、「2026年を待たずにレッドブル昇格」という噂に反応し、ポジティブなコメントを発している。

ベテラン記者のジャン=リュック・ロワはRMC Sportに対し、ハジャーへ苦言を呈した。

「僕は彼に『何も言うな、黙って結果を出せ』と言った。彼は自分で自分を追い込んでいる」
「彼を過剰に批判して潰すつもりはない。シーズン序盤にもフォーメーションラップで自滅したミスがあったが、これは2度目の失敗だ。3度目はもう見たくない。これが僕の忠告だ」

さらにロワは、ハジャーがまずチームメイトのリアム・ローソンを再び上回る必要があると指摘した。

「過去7〜8戦、彼はローソンの後ろを走っている。同じマシンを使っているのに、これはうまくいっていない。彼は発言をやめて、頭を下げて仕事に集中すべきだ」

一方で、角田については非常に好意的な評価を示した。

「角田は波に乗り始めている。素晴らしいグランプリだった。戦う週末だった。ハジャーの立場なら、黙って仕事をするべきだ」

チーム代表のメキースもまた、角田の存在を高く評価している。

「ユウキには重要な役割がある。まずコンストラクターズ選手権では、まだ多くのものが懸かっている。タイトル争いこそ終わったが、その次の順位を争っている。だからこそ、ユウキのポイントが必要なんだ」

「さらにユウキが速ければ速いほど、2台のテスト作業を分担できる。それが重要なんだ」
「我々は常にもっと上を目指している。十分だったとは言わない。君が言う通り、大きな差があった」「良かったとは言わない。誰も満足していないし、ユウキ自身もそうだ。だが、彼はこれで2戦連続でポイントを獲得した」

「ユウキは2回とも素晴らしいスタートとオープニングラップを見せた。これは今季これまでよりも進歩だ。十分か? いや、そうは言えない。もし僕が『これで十分だ』と言えば、ユウキも納得しないだろう」