メルセデスのトト・ヴォルフ代表が、2025年ドライバーズタイトルにおけるマックス・フェルスタッペン逆転の可能性を否定した。ヴォルフは「その船はもう出港した(Ship has sailed)」と述べ、残る数戦での劇的な巻き返しは現実的ではないとの見解を示した。
発言の背景には、ブラジルGPを経て生じた勝ち点差と、シーズン終盤に向けた戦力差がある。ヴォルフは、首位を争うマクラーレン勢(オスカー・ピアストリ、ランド・ノリス)に対し、フェルスタッペンが追撃を完遂するシナリオは「もはや想定しづらい」と明言した。
フェルスタッペンはブラジルで予選Q1敗退という失速を喫しながら、決勝ではピットレーン発進から表彰台に達する走りを見せ、力強い速さは示した。だがポイントの実益を伴う連続性には届かず、チャンピオンシップの潮目を変えるには至らなかった。こうした一撃の輝きと累積の差の乖離こそが、ヴォルフの厳しい総括を導いたと見られる。

