マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、先日のイモラGPにおいてチーム内の調和を優先した判断を擁護した。

ノリスはチャンピオンシップではピアストリの後塵を拝しているものの、両者ともフェルスタッペンの前に位置している。ノリスはレース中、無線でチームに対して控えめにチームオーダーを出すよう提案していた。

「それは確かに選択肢のひとつだった。私たちは、もしランドがマックスをオーバーテイクできるなら、そのあとのオスカーも簡単に抜けると想定していた。結果としては満足している。両ドライバーとも納得しているし、公平だったと考えている。それが私たちのレーススタイルだ。」

しかし、1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴは、マクラーレンの決断を厳しく批判した。

「弱さを見せている。まるでドライバーズタイトルを獲りに行く積極性を恐れているみたいだし、(チームが)ピアストリに逆らうことを怖がっているように見える。非常に奇妙だよ。」

ノリスもまた、マクラーレンの判断が勝利の可能性を失わせたとほのめかした。ノリスがピアストリを抜くまでに3周を要し、さらに2台が接触寸前になったことが、その代償だった。

「そこで僕は時間を失い、オスカーも時間を失った。でもチャンピオン争いをするには、こういうことをやらなきゃいけないんだ。誰かを満足させようとすれば、もう一方が不満を抱える。それが現実だ。」
とノリスは語った。

一方、元F1ドライバーのアレクサンダー・ヴルツは、ピアストリはチャンピオンシップを見据えた“ロングゲーム”をしていたと分析した。ピアストリははレース後、「あと10メートル遅くブレーキを踏むべきだった」と認めたが、その選択には意味があったという。

「ピアストリはラインを閉じて、ルールに則りつつマックスを押し出すこともできたはずだ。だが彼はリスクを取らず、ポイントを守る選択をした。それは非常に賢い判断だった」
とヴルツは語った。

マクラーレンのステラ代表は、今後のシーズンでチームオーダーを出す可能性についても言及した。

「私たちの中では“もし”ではなく、“いつ”出すかを話している。チームとして、そしてランドもオスカーも、そのことを理解している。」