ジョージ・ラッセルが、カタールGPでのスチュワード審議を巡る騒動について、マックス・フェルスタッペンが「一線を越えた」と非難し、彼の行動に対する厳しい言葉を口にした。

両者は、カタールGPの予選Q3で発生した冷却ラップ中の走行妨害を巡り、土曜夜にスチュワードへ召喚された。フェルスタッペンが意図的に遅い走行を行ったとされ、ラッセルがこれにより妨害を受けたと主張した結果、フェルスタッペンには1グリッド降格のペナルティが科され、ポールポジションはラッセルへ移った。

その後の日曜のレースでは、フェルスタッペンが優勝を飾り、ラッセルは4位に終わった。しかし、ポストレース会見でフェルスタッペンは「ラッセルへの全ての敬意を失った」と発言し、論争はさらに激化した。

MV: 「僕はこれまでキャリアを通じて何度もスチュワード室に行ってきたが、ここまで誰かを意図的に追い詰めようとする人を見たことがない。これには全く敬意を失った。」


ラッセルの反応:失望と決意

アブダビGPのメディアデーで初めてこの件について尋ねられたラッセルは、次のように応えた。

GR: 「僕たちはトラック上で激しく戦うし、スチュワード室でも激しく主張する。でも、それは個人的なものではない。今回の件もそうだ。マックスがレース中にランド(ノリス)について黄色旗を確認するようにチームに伝えたのも個人的なものではない。それがレースだ。しかし、彼が発した言葉は完全に不必要なもので、一線を越えた。僕はそれを受け入れない。誰かが、まるで自分がルールの上にいるかのように振る舞う人に立ち向かわなければならない。」

スチュワード室での状況についても、ラッセルは詳細に語った。

GR: 「スチュワード室に入った時、最初の5分間は僕は何も言わなかった。彼らはマックスにだけ話を聞いていて、彼はすでに怒り心頭でスチュワードに罵声を浴びせていた。そして、僕の意見を聞かれたとき、僕はただ事実を述べた。
僕たちにはデルタタイムがあり、それに従う必要がある。また、遅く走行する場合はラインを外れるべきだ。僕はマックスにペナルティを与えようとしたわけではない。この時点で僕はすでに予選1位にいたし、マックスは2位でもなかったと思う。ただ、自分のラップを準備していただけで、彼が規則に違反していたことを事実として述べた。
彼は非常に怒っていて、僕が彼を支持しないことに不満を抱いていた。彼は『マックスの行動は問題ない』と言ってほしかったのだろう。でも、ルールはルールだ。僕もタイヤを準備するために20秒も遅く走りたいが、それは許されない。」


個人的な対立へ発展

日曜朝にマックスと直接話し合った際のことをラッセルはこう振り返る。

GR: 「僕とマックス、チェコ(ペレス)、カルロス(サインツ)で話をした時、ほとんど笑い話のようだった。でも、彼の目を見たとき、彼が本気で怒っていることが分かった。彼が発した言葉には意図があった。それは非常に驚くべきことだった。
僕が彼を失格に追い込んだわけではない。でも、彼はダブルスタンダードを期待しているように見える。自分の思い通りにならなければ受け入れない。それではこのスポーツは成り立たない。」

さらに、ラッセルはフェルスタッペンの怒りの根底にある性格についても言及した。

GR: 「彼とは12年の付き合いがあるし、これまでずっと敬意を持ってきた。でも、今はもう彼への敬意を失った。僕たちはトラック上で戦っているだけで、個人的なものではない。でも、彼はそれを個人的なものに変えた。こんな暴君のような人間に立ち向かわなければならない。」

フェルスタッペンがスチュワード室での審議を「嘘」と評したことについても、ラッセルは反論した。

GR: 「いや、彼がしていたことは非常に明確だ。彼は遅すぎたし、レーシングラインにいた。僕たち全員には守るべきルールがあるが、彼はそれを守らなかった。彼が『お前を壁に叩きつける』などと言ったのは全く容認できない。彼は一線を越えている。それを許すわけにはいかない。」

最後に、ラッセルは彼の行動がF1全体に与える影響についても警鐘を鳴らした。

GR: 「彼が困難に直面したときの対処の仕方を見ると、それがどれほど不適切かが分かる。何かが自分の思い通りにいかないと、彼は不必要な怒りや境界線を超えた行動をする。それは他のドライバーやチームにも悪影響を与える。そして、それがF1の未来にとって良いことだとは思えない。」


アブダビGPを迎えるパドックでは、両者の対立が新たな注目を集めている。果たして、この論争がレースにどのような影響を及ぼすのか、ファンや関係者の関心が高まっている。

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