角田を支援してきたホンダは、レッドブルとの提携およびスポンサーシップを終了し、2026年からはワークスパートナーとしてアストンマーティンにスイッチするが、そのシートはすでにフェルナンド・アロンソとランス・ストロールで埋まっている。角田にはアストンマーティンのリザーブドライバーとしての可能性も噂されているが、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)の渡辺康治社長は、レッドブルに残留するチャンスもあると考えている。渡辺社長はメディアas-web.jpにコメントした。

「現時点で移籍に関する話は出ていない」

「外から結果を見る限り、正直な印象としては、想定以上に苦戦しているように見える」

「ただ、本人と連絡を取り合い話を聞く中で、思っていたよりも前向きに捉えているように感じた。マシンの戦闘力が改善され、チャンスをつかめれば、まだ十分にやれると思っている」

「そのためにも、我々HRCとしては今後もこれまで通り、最大限のサポートをしていく」

なお、ホンダによるレッドブル支援は、今季最終戦アブダビGPで完全に終了する予定だ。一部では、レッドブルが8月の夏休みに入るタイミングで、角田をイザック・ハジャーと交代させる可能性があるとの噂も出ている。しかし、渡辺社長はその憶測を否定した。

「まず、夏休み中に交代するという話は出ていない」

「パフォーマンスが少し悪いからといって、すぐに交代の話になるわけではなく、長期的な視点で見ていくと聞いている。いろんな噂があるが、基本的には角田がシーズン終了までレッドブルで走ることを、チームと確認している」

「後半戦で何か結果を残すことができれば、将来の可能性も広がると思う」

仮にレッドブルが25歳の角田を放出し、ホンダ系のアストンマーティンにも加入できない場合、彼にはキャデラックのF1参入に絡む移籍の可能性も浮上している。フェラーリ製パワーユニットを搭載するキャデラックへの移籍について、ホンダとして懸念があるか問われると、渡辺社長はこう答えた。

「いいえ、それは問題ない」

また、角田にはハースへの移籍の噂もあり、同チームはトヨタとの関係を深めつつあることでも注目されている。しかし、これがホンダにとって問題かと問われた渡辺氏は明言した。

「それも問題ない。トヨタのチームというわけではない」