静かで冷静なオスカー・ピアストリが日曜日、3連勝目を挙げた。これにより、チームメイトのランド・ノリスに対して16ポイントのリードを築いた。

だが、ノリスの怒りの矛先はピアストリではなかった。彼が中指を立てて怒りをぶつけた相手は、現F1王者のマックス・フェルスタッペンであった。2人の間では再び激しいバトルが繰り広げられていた。

レッドブルの外側からオーバーテイクを狙った際、「リスクを取りすぎたのでは」と尋ねられたノリスは、こう答えた。

「僕が攻めないと、みんなは文句を言う。僕が攻めたら、やっぱり文句を言う。
だから、どうやっても批判される。でも、マックスと走るときはいつもそうなんだ。クラッシュするか、抜けないか、どっちかなんだよ。」

一方でピアストリは、冷静にフェルスタッペンを攻略した。

「僕にとっては、ただタイミングを待つことだった。チャンスが来るのを待つか、あるいはマックスにミスをさせるように仕掛けるか。それが自分にできたことだ。」

今や2025年のチャンピオン最有力と目されるピアストリは、こう語った。

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ノリスとフェルスタッペンの衝突、そしてノリスの反応について、「彼の最近の“崩れ”の連鎖の一部にすぎない」と語っている。

「ノリスに何が起きているのかわからない。カートや他のカテゴリーにいたときは、いつもすごく決意に満ちた走りをしていたのに、今はその勢いを失ってしまっている。
おそらくポイントを失うこと、ランキングで後れを取ることを気にしすぎて、逆にそれが彼自身の足を引っ張っているんだ。彼はその部分を早急に改善しなければならない。」

「今では他のドライバーたちに、“ノリスには強気で仕掛ければ通じる”という印象を持たれていると思う。ピアストリがフェルスタッペンに小さなミスを誘い、それを突いてイン側から抜いたようにね。」

一方、4度のチャンピオン、アラン・プロストは、マクラーレン内での心理戦において、ピアストリが明確に勝っていると指摘する。

「モータースポーツは当然、サーキット上で展開されるものだ。しかしドライバーの反射神経や天性の才能に加えて、“心理”も極めて重要な要素だ。」

「僕が現役だったころからそうだったが、現代ではそれがさらに重要になっている。
今ではすべてが可視化され、すべてが記録され、すべてが公になる。多くのドライバーたちは、そうした現代の傾向に飲まれてしまう。でも、そうしてしまうと、自分にとてつもないプレッシャーをかけることになるんだ。」

「一方で、あえて目立たないようにしているドライバーもいる。僕は、それが正しい選択だと思う。
新たなチャンピオンシップリーダーとなったオスカー・ピアストリは、ほとんど口を開かない。彼のプライベートについてもほとんど知られていない。彼は生まれつき控えめで、レースとレースの間には姿を消し、自分をプレッシャーから解き放っているんだ。」