FIAは最新のF1コミッション会合の内容を公表し、2ストップ義務化、ATR、カラーリング/ドライバー番号、ドライバー冷却システムなど、多岐にわたる議題が話し合われたことを明かした。

今回の会合では、2026年のFIAテクニカル、スポーティング、ファイナンシャル、オペレーショナル各規則に関する追加変更がまとめられ、12月10日の世界モータースポーツ評議会で承認に向けて提示される予定だ。

2ストップ義務化については、F1チームとピレリから寄せられたシミュレーション結果とフィードバックを基に検討が行われたが、2026年シーズン冒頭から導入するという合意には至らなかった。議論自体は来年以降も継続され、将来的に導入可能かどうか協議が続く見通しだ。

また、現在の情勢やコスト状況に合わせる形で、空力テスト制限(ATR)の調整も検討されている。加えてF1マシンのカラーリングに関しては、側面と上面から見た際に、最低55%の表面積を塗装またはステッカーで覆うことを義務づける案で合意した。

これは、各チームの見た目を明確に区別させるためであり、軽量化目的で露出カーボンを多用し、車体が似通ってしまう状況を抑制する狙いがある。また、ドライバーの固定番号制度についても、キャリアの途中で個人番号を変更できるようにする案が承認された。

ドライバー冷却システム(Driver Cooling System : DCS)に関しては、システムの義務化や、未使用時の重量増加措置などを含めて検討が進められている。現在の冷却ガーメントの再設計案も提示されており、FIAはGPDAおよび各ドライバーからさらなる意見を集める方針だ。

以下はFIAが発表した公式ノート


■ FIA公式ノート

2026年 技術/競技/財務/運営規則の改訂

会合を経て、2026年の技術、競技、財務、運営規則に対する多数の修正内容がまとまり、12月10日の世界モータースポーツ評議会に提出されることになった。

グランプリにおける2回のピットストップ義務化に関する提案も議論され、タイヤ仕様、タイヤ寿命の上限、レース中に使用する3種類のコンパウンドの扱いについても検討が加えられた。これらの議論は、各チームおよびピレリの分析とシミュレーションから得たフィードバックを中心に進められた。現時点で規則変更の合意には至らなかったが、2026年シーズン中も協議を継続することになった。

空力テスト制限(ATR)

空力テスト制限(ATR)については、最新の処理技術やシミュレーション環境に合わせつつ、コスト面に配慮した形で調整案が進められている。

カラーリングとドライバー番号

技術諮問委員会との協議の結果、2026年に向けてマシンカラーリングの最低表面積基準を導入する案が議題となった。側面および上面から見た際、最低55%の面積を塗装またはステッカーで覆うことが義務づけられることで合意した。これは、カーボン地肌の露出を減らすことで視覚的なマシン識別性を高める狙いがある。

2014年から導入されているドライバーの固定番号制度についても議論され、キャリア中に番号を変更できるようにする提案が支持された。

ドライバー冷却システム(DCS)

2026年に向けたドライバー冷却システム(DCS)の義務化の可能性についても協議が行われた。現在のDCSおよび冷却ガーメントの再設計案が提示され、DCS使用時の重量許容値を増やす案も検討された。FIAはGPDAと協力しつつ、さらなるドライバー意見を収集する予定。