フェラーリのジョン・エルカン会長が、ブラジルGPでの惨状を受け、チームのドライバー陣に対して異例の公然たる批判を行った。シーズン終盤に入り、名門の戦いは崖っぷちに立たされている。

エルカン会長は月曜、ミラノで開催された2026年冬季オリンピック関連イベントの場で発言した。名指しこそ避けたものの、その矛先は明らかにルイス・ハミルトンに向けられていたとされている。

この発言は、ハミルトンが自らの初年度フェラーリシーズンを「悪夢」と評した直後に飛び出した。21戦を終えて未だ表彰台ゼロ。サンパウロではクラッシュを繰り返し、地元で名誉市民でもあるハミルトンにとって屈辱の週末となった。

イタリア・メディアはその後、一斉にハミルトン批判を強めている。老舗紙コリエーレ・デッラ・セラの記者ジョルジョ・テルッツィは、厳しい言葉を綴った。

「ハミルトンには大きな責任がある。彼は後方からスタートし、多くの打撃を受け、そして常に不満を漏らしている。21戦を経ても言葉ばかりで覇気が感じられない。これでは彼を批判しない方が難しい。
結局のところ、チャンピオンなのにチャンピオンらしく振る舞えないのだ」

これに対し、40歳のハミルトンはSNSで反論した。

「僕はチームを信じている。僕自身を信じている。諦めない。今も、これまでも、そしてこれからも絶対に」

チームメイトのシャルル・ルクレールもブラジルでのリタイア後に、団結を呼びかけた。

「この状況を好転させるためには、団結しかない。残り3戦、いつも通り全力で挑む。」

ルクレールの陣営は最近、チームへの不満をほのめかしているとも伝えられている。

この発言を受け、イタリアの著名コラムニスト、レオ・トゥリーニは、クオティディアーノ・ナツィオナーレ紙にこう記した。

「モンテゼモーロなら、今日のエルカンのようにドライバーを公の場で非難しただろうか? そんなことは決してなかっただろう。フェラーリに喜びが訪れないのは、皮肉なことだ。」

フェラーリの名のもとに、チーム内の緊張が頂点に達している。名門復活の夢は、いま試練の真っただ中にある。